現実3
2011年 04月 09日
福島県で教員をしていた時に同僚だった方からメールをいただきました。(4月8日)
前回同様、福島県内の地名が多く出てきます。わかりにくい所もあるかもしれませんが、実情を理解するには十分かと思いますので、ご理解のほどよろしくお願いします。
今の福島県は、やはり原発避難区域以外は復興に向けて頑張っていて、避難区域の人たちは散り散りバラバラ。学校の生徒は転校が相次いでいるようです。そして、避難区域内で生活していた人々は帰れる見込みはなく長期化必至。しかし、貴重品も何もかも置いてきてしまったので、最近人々が心配で取りに帰っているのが放射性物質の拡散の危険性があるからだとか。政府は安全に一時帰宅できるための計画を練り始めているそうですが。
かく言う私たちも先月31日に一時帰宅してきました。
病院の母と姉に娘を預け、○○を若松市内(会津)のペットショップに預け、カッパとゴム手袋、くつを買って行きました。母子手帳と保険証、へその緒、育児日記、銀行印など、多くは子どもの物を持ち帰ってきました。家の中は、地震で落ちたものが散らかったままで、冷蔵庫から飛び出した食品の腐敗臭が漂っていて、片付けもできないんだ…と悲しくなりました。
両親が飼っていた犬は元気でしたが、当然被曝してるし、子どもへの2次被曝の恐れもあるしで、今連れて帰るのは難しいと判断し、8kgの餌を2袋まいてきました。車に乗ると、鳴きながら走ってついてきました。「置いていかないで」って。涙が止まらなかったです。
家の近くにも犬が何匹もいて、痩せてガリガリになっていました。噂では自衛隊が餌をまいてくれているとか、綱をほどいて放犬しているとか言うけれど、実際弱ってる犬はいたし、つながれたままの犬もいました。早く政府で何とかしてほしいです。
学校…義務(小学校・中学校)は市町村ごとの判断で、浪江町はまだ目処が立ってないらしいです。双葉町は埼玉県に集団避難しているので、そちらに一時転校。大熊町は会津若松市に集団避難して体育館などで授業を実施するらしいとニュースでやっていました。
高校は生徒が一番集まりやすい学校を拠点校とし、空き教室を借りて実施。避難所が遠く拠点校に通えない生徒はサテライト校という各地区に定めた学校で近くの教員が教えるとなっていますが、実現できるのかどうか…。
教員の学校の配置は未定で、どこに行かされるのやら…。家族(教員同士の夫婦)でバラバラの地区に配置されることもあり得て、特に子どもの学校がある先生方は生活できるのか不安でいます。
私たちは子どもへの放射能の影響を考えると心配なので、会津に住むことにしました。場合によっては高速道路を使っての通勤です…。でも、仕事があるだけマシですね。仕事もない、貯えもない人はたくさんいるはず。終わりの見えない不安が襲います。市営住宅は空きがなく、民間のアパートを国が一括借り上げするとか方法はないのでしょうか。
でも、ウチは犬がいるからダメみたいです。これから住めない家のローンを払っていかなければならないって言うのに…トホホ。避難区域の市町村間でも支援格差があって、かたや旅館に泊まれて、かたや避難所で雑魚寝…。東電からの説明もなく不安不満爆発だそうです。
このほかにも、学校では養護教諭の採用が取り消されたという話もありました。このメールを送ってくれた方同様に、こういう時だからこそ養護教諭が必要なのではないかと思います。これからの日本を担う人材を育てるために大切なことが何かをきちんと見極めてほしいものです。
by footstep7-7
| 2011-04-09 09:11
| 7ヶ月目